沈没セウォル号のオーナーが死亡?死因を巡るミステリー!
入力 : 2014-07-23 18:40:17 / 修正 : 2014-07-23 18:40:17

 

韓国の旅客船セウォル号沈没事故で指名手配していたセウォル号の運航会社、清海鎮海運会長の兪炳彦(ユ・ビョンオン、73)容疑者が22日、最終的に死亡したことが確認された。|提供 ソウル新聞


韓国南部の全羅南道・順天・西面・鶴口里(チョンラナムド・スンチョン・ソミョン・ハククリ)で発見された変死体が、旅客船セウォル号沈没事故で指名手配していた兪炳彦(ユ・ビョンオン、73)容疑者であることが確認された。しかし、2カ月間ほどの検察と警察の追跡をかわしてきた兪氏が突然変死体で発見されたことに、自殺や他殺などの死因についての議論から遺体のすり替え説まで数々の疑惑が提起されている。


◆持病による自然死?自殺?他殺?...なぜ一人?
22日、全羅南道順天の警察署は事件ブリーフィングを通じて、先月12日に発見された遺体の指紋鑑識とDNA検査を行った結果、兪氏であることを確認したと明らかにした。


多くの韓国国民は警察の発表後、これまで検察と警察の包囲網を愚弄しながら逃走していた兪氏が突然死亡したということをとても信じられないという表情で、様々な疑惑を提起している。一番先にあがった疑惑は、キリスト教福音浸礼会(救援派)の信徒たちと一緒に逃走を続けていた兪氏が、一人で変死体で発見された点だ。


このような疑問が膨らんでいるのは、これまで検察の捜査発表も一役買った。検察は、継続的に兪氏が信徒たちと一緒に逃走すると明らかにしてきた。そんな兪氏が突然一人で逃げ結局死亡したとの発表は、信憑性を疑わせる部分がある。


しかし去る5月25日、検察が順天市にある兪氏の別荘を急襲した時、慌てて逃走する過程で兪氏が一人になった可能性もある。兪氏が一人で山の中を迷い、持病の糖尿病と高血圧などで自然死した解釈も可能だ。


一部では、自然死や自殺ではなく、他殺の可能性も提起している。22日韓国の媒体<YTN>は、発見された遺体が首と体が分離されているほど毀損されたと報じ、他殺の可能性を示唆した。また、兪氏の遺留品から現金が見つからなかったことも、他殺の可能性をさらに煽っている。


今月8日、仁川地検の特別捜査チームによると、兪氏は順天市に逃避する過程で別荘周辺の林野と農家住宅を現金2億5000万ウォンで買い入れた。兪氏は、逃避を助けた信者チ氏(60、拘束)の紹介で、不動産所有者A氏から同土地を購入したという。


A氏は、兪氏が旅行用カバンで現金2億5000万ウォンを取り出して代金を支払ったと供述した。検察はバッグの大きさなどを推測すると、現金20億ウォン(約2億円)相当を兪氏が持っていると発表したが、遺体の付近では1万ウォンさえも発見されなかった。

 

先月12日に発見された兪氏の死体の周りではお酒の瓶などが発見された。しかし、普段使っていたメガネと携帯電話が発見されていないため、疑惑が提起されている。|提供 YTN


◆お酒飲まない兪氏、遺体の周りには酒瓶が!
もう一つの疑惑は、遺体の周辺で発見された酒瓶だ。兪氏は酒を全く飲まないというのが、キリスト教福音浸礼会(救援派)の信徒たち一貫した主張だ。


それだけでなく、遺体の周辺で発見された焼酎の瓶の中では、2003年2月に生産されたものもあった。11年も経ったが、蓋まで完全な状態だったという。ただ瓶に酒が込められていたのか、または他の物質があったのかはまだ分からない。


空になったマッコリ瓶も発見されたが、警察は製造日を明らかにしていない。通常マッコリの賞味期限は製造日から十日ほどに過ぎない。そのためマッコリの賞味期限は兪氏の死亡時期を推定するための重要な手がかりになる。


酒瓶が発見されたことも兪氏の死亡をめぐる疑惑の一つとして指摘されている。前述のように兪氏が酒を全く飲まないことで知られているからだ。


22日、救援派のスポークスマンは、YTNとのインタビューで「周りにマッコリなどのものがたくさんあったと聞いたが、会長はお酒を全く飲まない。そのような状況から見ると、(遺体は)兪会長ではない可能性が非常に高い」と主張した。続いて彼は「すでに遺体が発見されてから1ヶ月も過ぎたのに、今さらDNA調査の結果を出すことが疑わしい」と付け加えた。

 

死体の周りには、兪氏のメガネや携帯電話などが発見されなかった。|THE FACT


◆救援派、「一目で見ても外見が違う」
救援派はまた、発見された変死体の身長と兪氏の身長が違うと主張した。
救援派のスポークスマンは22日、「いくつかの情況を見てみると、発見された遺体は兪会長ではないと思われる」とし、「兪会長は非常に短身で一目で見ても区別できるくらいだ。外見も別人みたいだった」と明らかにした。


また、遺体発見時点と兪氏の最後の生死確認時点が一致していないと指摘した。
同スポークスマンは「少なくとも5月25日に兪会長と同行したシン氏が逮捕された時点までは、兪会長が生きていたことが明らかである。警察が遺体を発見した6月12日、すでに遺体の腐敗がかなり進行したという点を考えると、2週間程度だけでそんなに遺体の腐敗が進むとは思えない」とし、「捜査当局が何らかの意図を持って、メディアに嘘の内容を流したのではないかと思う」と疑惑を提起した。


一方、22日午後7時31分、国立科学捜査研究所は、兪氏の変死体として推定される遺体が、DNAの追加鑑定結果、兪氏のDNAと完全に一致すると警察庁に口頭で通知した。


THE FACT|イ・チョルヨン記者

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