ロッテグループが各系列会社の社外取締役として、国税庁、公正取引委員会などの政府と司法機関の出身者を大挙採用していると知られ、財界の関心が寄せられている。

 

[スポーツソウルドットコム|ソ・ジェグン記者] 数日後に迫ったロッテグループの主要系列会社の株主総会に、韓国財界の関心が集まっている。昨年大々的な税務調査で災難に遭ったロッテグループが、国税庁の実力者らを社外取締役として招聘するなど、権力機関の出身者をベースにした“露骨的なラインアップの強化”に取り組んでいるからだ。

 

ロッテグループは来る21日、ロッテショッピングとロッテ七星飲料、ロッテケミカルなど主要系列会社の株主総会を一斉に行う。同日、ロッテグループ系列会社が社外取締役として任命する権力機関出身者は皆13人で、国内10大財閥グループの中で最も多い。この中でも新任の社外取締役候補者の履歴が議論になっているところは、ロッテショッピングだ。
ロッテショッピングは21日の株主総会で、キム・テヒョン元最高検察庁の監察部長を再選任候補に挙げ、パク・ドンヨル元大田地方国税庁長など、3人の新規社外取締役を選任する予定だ。


今回の人事に財界は、元国税庁長など社外取締役リストに名前を上げる彼らの履歴に注目している。
ソウル地方国税庁は昨年7月から200日の間、ロッテ百貨店とロッテマート、ロッテスーパー、ロッテシネマなど、ロッテショッピングの4つの事業本部に対して特別税務調査を実施し、脱税などの容疑で摘発。今年2月に約600億ウォン(約56億7千万円)の追徴金を課した。

特にロッテショッピング傘下に編入されたロッテシネマの場合、税務調査の過程で辛格浩ロッテグループ総括会長の三女であるシン・ユミ氏が運営するユウォン実業などのオーナー一族所有の会社に、劇場内売店事業権を独占的に与えたことが明らかになり、論争を招いた。


国税庁出身の社外取締役招聘はこれだけではない。同日株主総会を行うロッテハイマートは、国税庁の次長出身であるチョン・ビョンチュン社外取締役を再選任する予定で、ロッテ七星飲料もキム・ヨンジェ元中部地方国税庁の納税者保護担当官を社外取締役として新規選任する。


ロッテショッピングに対する大々的な税務調査で一度ピンチに追い込まれたロッテグループが、地方国税庁長出身者を系列会社の社外取締役として新規選任するという話が伝わると、一部の業界では、今回の人事が政府と司法機関などの制裁や監視から逃れるために考えた手段に過ぎないと批判した。


「国税庁の調査→国税庁出身者を採用」こうしたロッテの“策”は、政府機関である公正取引委員会も例外ではなかった。
昨年9月、ロッテグループの系列会社であるロッテフードは、コリアセブンと食品などと商品取引する過程で、理事会の議決と公示をしなかった容疑で摘発。公正取引委員会から4億4705万ウォン(約4200万円)の過料が課された。2012年には、グループの系列会社のロッテピエスネットが、系列会社のロッテアルミニウムを介して、ATM機器を購入する方法で不当支援したことが摘発され、公正取引委員会から6億4900ウォン(約6100万円)の過料が賦課。2000年と2005年にも不当な内部取引で過料が課されたことがある。


そこで公正取引委員会の摘発対象の“常連客”だったロッテが切り出したカードは、高麗大法学部教授であるチェ・ヨンホン氏だ。ロッテグループの系列会社であるロッテハイマートは、今回の株主総会でチェ教授を新規社外取締役として選任する。チェ教授は以前、国防部の検察部長を務めたことがあり、公正取引委員会の諮問委員でもある。


さらにロッテグループは、政府や司法機関出身者のスカウトにも積極的に乗り出した。ロッテショッピングの新規選任人事候補の中で、クァク・スグンソウル大学経営学科教授は、金融監督院の諮問委員長出身。ロッテ製菓と新規社外取締役の候補者リストに名前をあげたソン・ヨンチョン法務法人セハンの代表弁護士会長は、ソウル高等法院部長判事を歴任した。また、ロッテケミカルのチョン・ドンギ法務法人バルンの顧問弁護士は、大統領民情首席秘書官出身だ。


ロッテの露骨的な権力機関出身者獲得に、市民団体を含め業界の一角では“政経癒着”の副作用を懸念する声が出ている。チョウン企業支配構造研究所の関係者は「最近、大手企業の間では、政府と円滑なコミュニケーションが取れる、または問題が発生した際にそれを防いでくれる“盾”の役割として社外取締役を活用しようとする動きが見られている」としながら「そのため“経営陣に対する監視と牽制”という社外取締役が持つ本来の役割が衰退している。これは結局、社外取締役が会社の資源として使われている現実を裏付けている」と強調した。


財閥ドットコムの代表チョン・ソンソプ氏も、「検察捜査や国税庁の税務調査などが厳しくなり、経済民主化に対する国民の期待が高まっているため、関連法律も強化される傾向だ。そのため一部の大手企業では、権力機関出身の社外取締役招聘に力を入れている」と指摘した。


 

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