OBビールの「Cass」から「消毒薬の匂いがする」という苦情が申し立てられ、韓国食品医薬品安全処が5日、調査に着手した。|提供 OBビール

 

韓国の代表ビールブランド“Cass”(OBビール)から消毒薬の匂いがするという消費者の不満が爆発している中、食品医薬品安全処(以下、食薬処)が調査に着手した。このため、消費者の不安感がさらに広がり、Cassの売上高に悪影響を与えると予想される。


◆食薬処が調査に乗り出し...「流通上の問題だ」
7日、韓国の酒類業界によると、先月末からCassから消毒薬の味や匂いがするという消費者の苦情が相次いだ。また、ブログやカカオトークなどのSNSでは、Cassに対する批判が急速に広がっている。


消費者の苦情が相次ぐと、5日、食薬処はCass工場の製造過程で問題がないかを把握するため、専門家とともに現場調査を行っている。食薬処は6月にもCassの消毒薬の匂いと関連して、同ビールの製造工場を調査したが、特別な問題はないという結論を下した。


しかし、それ以来にも消費者から“味がおかしい”という不満が相次ぎ、再調査に着手したのだ。5日を基準で、食薬処が受け取った“Cassの消毒薬”に関する苦情申立ては10件以上。


OBビール側は製造工程ではなく、流通過程で変質したと主張している。OBビールの関係者は、「夏には、日差しが強くて温度が高い。そのため、流通過程で長時間に渡って露出された一部の製品で、いわゆる“日光臭”が起こり味が変わったのだ」と釈明した。日光臭とは、アルコールが夏の高温に影響され、消毒薬の匂いがする現象を指す言葉。


◆デマの拡散に消費者の不安↑...「法的対応をとる」
OBビールの釈明にも噂は拡散している。5日午前からは「オレが酒類業界で働いているけれど、しばらくの間はなるべくCassは飲まない方がいい。まぁ、業界の不文律があって詳細なことは言えないが、2014年6月から8月に生産されたものはマジで飲んじゃダメ。特に可妊期の女性は絶対に避けるべき」という詳細な説明を添えた投稿文がネット上で広がっている。


OBビールは、インターネットとSNS上で広まっている噂が特定の勢力が操作したとみている。OBビールの関係者は、「消毒薬の匂いと関連して、確認がされていない疑惑を大げさに煽って、利益を得ようとする奴らがいる」とし「これまで収集してきた資料をもとに、法的対応を検討している」と述べた。


OBビールが指した「特定の勢力」は、競合他社を意味するのが一般的な見方。そのため、業界は、ビール市場のシェア競争で過熱された局面がさらに裁判沙汰に繋がることを懸念している。


これと関連して酒類業界の関係者は、「OBビールが競合他社を“特定の勢力”に把握しているのかはわからないが、デマを広めることは全くしていない」と一蹴した。


しかし、すでに広まってしまった噂は抑え切れない状況。不特定の多数がその噂を拡散し合い、そのまま消費者の不安心理に繋がっている。
会社員のチョン(30)氏は、「Cassをよく飲んできたが、最近議論になってからは他のビールを飲むようになった」と不安な気持ちを表わした。


OBビールは、1年の中で最大の繁忙期である時点で噂が広がったため、売上高への影響を懸念しつつも、「ビールの味に問題を提起する消費者の不満が増えたのは事実。食薬処が調査に乗り出ただけに、慎重にその結果を待っている状況だ」と慎重な立場を示した。


THE FACT|シン・ジンファン記者

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