MERSの直撃を受けた韓国航空業界が、外国人観光客の急減で大きな業績悪化が予想される。|THE FACT DB


韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの拡散が続いている中、その余波が韓国航空業界を直撃している。各社は消毒などの防疫に取り組むと同時に、値引きなどの特別なプロモーションも実施しているが、外国人観光客の急減の動きは止まらない様子だ。


韓国航空業界は、MERSに対する不安を払拭させるため、旅客機の殺菌・消毒を強化している。大韓航空は今月4日からすべての自社航空機に対して、定期的殺菌・消毒を月1回から週1回に増やした。また、殺菌・消毒の旅客機数も一日5機から20台機拡大。殺菌・消毒に使う消毒剤MD-125は、MERS発生要因として知られているコロナウイルスに対して、約1週間の殺菌持続力があると知られている。アシアナ航空も保有している自社航空機全体の防疫を実施した。疾病管理本部や検疫所などとのホットラインも構築し、MERS拡散防止に努めている。


しかし、このような努力にも大韓航空とアシアナ航空は、MERS発生した5月末以降、一日平均で3000件の予約キャンセルが続いている。韓国1位の額安航空社(LCC)である済州航空も搭乗率が6%ポイントも下落した。大韓航空は22日から来月中旬までに香港-韓国路線を1日1回、アシアナ航空も来月から1日2回に減らす予定だ。


アシアナ航空の関係者は、「MERS事態が長期化される模様で、韓国訪問を自制する雰囲気もしばらく続くとみられる」と懸念を示した。また、「MERS事態以後、台湾路線などを中心に価格割引プロモーションの実施したが(その効果が小さく)、追加プロモーションの実施はまだ決まったことがない」と付け加えた。航空業界では、来韓観光客が大きく減少した中国と台湾などで旅行代理店と共同に通常価格の50%にも満たないチケット販売イベントを行ったが、期待値を下回っているという。。


航空業界の最大のピークは7月末〜8月。チケット価額はオフシーズンに比べ、平均20〜30%が上がり、乗客も25%ほど増える。便数もオフシーズンに比べ10%以上増便して運行される。
しかし、今年はMERS事態で第2四半期の業績悪化だけでなく、第3四半期にも影響を与えるとみられる。金融業界は、「2003年に世界的に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)が韓国に発症した当時にも旅行禁止・注意措置で航空需要が30%ほど減少した。今回のMERSはそれ以上の影響が出る可能性が高い」と分析する。


THE FACT|キム・ミンス記者

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