ロッテグループ創業者の重光武雄氏の次男である重光昭夫氏(59)が、日本ロッテホールディングス代表取締役に選任された。|THE FACT DB


韓国ロッテグループの会長である重光昭夫氏(59、辛東彬)が、日本ロッテホールディングスの代表取締役に選任された。ロッテホールディングスは日韓両国のロッテグループをつなぐ核心企業。韓国財界では、昭夫氏が日韓ロッテグループの正式な後継者に指名されたと口をそろえている。


韓国ロッテグループは16日、昭夫氏が日本ロッテホールディングスの代表取締役に選任されたと発表した。ロッテグループによると、同日午後に開かれた主要系列会社の社長団会議で昭夫氏は、「今回の理事会の決定を謙虚かつ厳粛に受け止める」とし「これから重光武雄 総括会長の意を受けて、韓国と日本のロッテ事業をすべて責任する姿勢で最善を尽くす一方、リーダーとしての義務を果たしたい」と述べた。


昭夫氏のロッテホールディングス代表取締役選任と関連して韓国財界では、「これまで後継競争の中で最大の障害とされた兄の重光宏之(辛東主)氏を追い抜いて、日韓両国のロッテグループを完全に掌握した」と口をそろえている。
このような見解が出てくる理由は、ロッテホールディングスが日韓のロッテグループの支配構造をつなぐ核心企業であるからだ。


ロッテグループの支配構造を見てみると、ホテルロッテは、ロッテアルミニウム(12.99%)、ロッテショッピング(8.83%)、ロッテ七星(5.92%)、ロッテ製菓(3.21%)、ロッテリア(18.77%)、ロッテフード(8.91%)など主要系列会社の株式を保有している“韓国ロッテグループの実質的な持株会社”。


また、ロッテホールディングスは日本ロッテグループの持株会社であるだけでなく、ホテルロッテの株式19.07%を保有している筆頭株主。ホテルロッテの残りの株式は、日本ファミリー(2.11%)と釜山ロッテホテル(0.55%)、自社株(0.17%)を除いては、正体が分からない“日本のL投資会社2が保有している。確認されなかったが、日本のL投資会社は、重光武雄 総括会長が支配していると伝えられている。
そのほか、ロッテリア(11.79%)、ロッテキャピタル(11.47%)、ロッテフード(4.76%)、ロッテショッピング(0.78%)などの系列会社の株式を多数保有している“釜山ロッテホテル”もロッテホールディングス(46.62%)と日本L投資会社(53.38%)が100%支配している。


今年3月、昭夫氏がホテルロッテの取締役に初めて名前を上げた。つまり、昭夫氏が両国のロッテ持株会社の経営権をすべて手にしたことを意味する。


兄の宏之氏(写真左)が相次いで日韓両国ロッテグループの役職から解任されたのに対し、弟の昭夫氏はホテルロッテ取締役選任及び日本ロッテホールディングス代表取締役まで、両国ロッテグループの経営権の掌握に成功したのだ。


このように昭夫氏がロッテ家の将軍になる兆候は昨年末から現れた。
当初ロッテグループは、昭夫氏が韓国事業を、宏之氏が日本事業を担当する構図であった。しかし、昭夫氏が韓国ロッテの事業規模を拡大する際に、宏之氏は主要系列会社に対する株を増やすことだけに汲々としていた。それが、実績を重視する重光武雄 会長に睨まれることになったと財界関係者は口をそろえる。


過去2013年基準で、韓国ロッテが74の系列会社で総売上げ83兆ウォン(約8兆円)を上げる一方、日本のロッテは37の系列会社は5兆7000億ウォン(約5.5千万円)にとどまった。このような格差にもかかわらず、宏之氏は昨年までグループのコア系列会社であるロッテ製菓の持ち株比率を3.92%まで高めた。


また、ロッテショッピングの場合、昭夫氏の株比率13.46%に比べ、宏之氏の株比率は13.45%で0.01%の差に過ぎない。さらに、▲ロッテ七星:昭夫5.71%-宏之2.83%▲ロッテフード:昭夫1.96%-宏之1.96%▲ロッテ商事:昭夫8.4%-宏之8.03%▲ロッテ建設:昭夫0.59%-宏之0.37%などで株の差がほとんどない。こういう対決構図に重光武雄会長は経営権紛争の兆候であると判断し、宏之氏を主要系列会社の役職から解任したとみられる。


実際に宏之氏は、昨年12月26日に開かれた日本のロッテホールディングス臨時理事会で、ロッテ商事社長、ロッテ副会長、ロッテアイス理事などの3つの子会社の役職から解任された。「解任」は、本人が辞退の意思を明らかにする「辞任」とは異なり、強制的に退職をされる重懲戒処分だ。


特に宏之氏が解任されたロッテ商事は、日本のロッテホールディングスが株式の100%を保有する核心系列社で、年間売上高1兆ウォン以上を上げる。さらに、日本国内のロッテ事業の物流を担当しており、後継競争にとっては高い象徴性を持つ。


宏之氏は今年1月、最も重要な系列会社である日本ロッテホールディングスでも解任された。そして、3月23日にはロッテ建設の役員からも退いた。その2日後の25日にはロッテリアでも登記役員の再選が不発になった。


このような動きに合わせるかのように、今年3月、昭夫氏の主宰でベトナムで開かれたグローバル食糧戦略会議で、日本ロッテホールディングスの現代表の佃隆行氏は「Oneロッテ、Oneリーダー」というフレーズを両国ロッテ系列会社の代表らに提示しながら、「韓国と日本のロッテは一人のリーダーの下で動かなければならない」と話すなど、昭夫氏がすぐに日本ロッテグループを経営するということを示唆した。


THE FACT|ピョン・ドンジン記者

  • (1/20)
  • Editor’s Choice
  • TOP10
  • Keyword News
  • FAN N STAR TOP10