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出演映画の通算累積観客数が1億人を突破―。2013年に公開された出演映画「弁護人」「観相師-かんそうし-」「スノーピアサー」の3編は計2986万人を動員―。数々の記録を打ち立て、韓国映画を語る上で欠かせない俳優のソン・ガンホ。「グエムル-漢江の怪物-」「弁護人」に続き、主演映画「タクシー運転手」が、累計観客動員数1000万人を突破した。


俳優のオ・ダルスが一足先に、出演映画が累積観客動員数1億人を突破し、「国際市場で逢いましょう」「ベテラン」など数々の出演映画で観客動員数1000万人突破も果たした。ただオ・ダルスは多くの作品において助演であり、多くの作品で主演を務めた俳優としてはソン・ガンホが唯一だ。


今月2日に公開された映画「タクシー運転手」は公開から19日目となる20日の11時時点で累積観客動員数1000万人を突破。韓国を代表する名俳優のソン・ガンホの役者人生を整理してみた。


映画「グリーンフィッシュ」、「ナンバー・スリー No.3」のスチール写真


◇ 釜山の劇団に入り、演技を始める

釜山(プサン)江西(カンソ)区駕洛洞(カラクドン)で生まれたソン・ガンホは、中学生の頃から俳優になることを夢見ていた。そして軍除隊後、釜山地域の劇団に入り演技を始めた。1990年、ソウルにある劇団・ヨヌ舞台が地方公演をおこなった際に、ソン・ガンホは脇役で出演した。その後、ヨヌ舞台の演出家のイ・サンウに会い、ヨヌ舞台の団員になった。その後、「蜚言所(ピオンソ)」「スープがあります」など数々の演劇に出演し、役者としての道を歩み始めた。


1996年、ホン・サンス監督の映画「豚が井戸に落ちた日」に、俳優のキム・ウィソンの推薦で出演し、その翌年には映画「グリーンフィッシュ」「ナンバー・スリー No.3」に出演。特に「ナンバー・スリー No.3」において、個性的な口喧嘩をする演技は印象的だった。そして同映画で新人男優賞と青龍映画祭の男優助演賞を受賞し、その演技力を認められてきた。


映画「JSA」「殺人の追憶」「シークレット・サンシャイン」のポスター

◇ 韓国を代表する監督たちとタッグを組む!

役者の演技力の良さは、まず監督が見抜くのだろうか?ソン・ガンホは「ナンバー・スリー No.3」以後、韓国を代表する監督とタッグを組んできた。キム・ジウン監督の「クワイエット・ファミリー」(1998)、カン・ジェギュ監督の「シュリ」(1999)でメインキャストを務めた。またキム・ジウン監督の「反則王」では主演を務めている。


さらに、今年のカンヌ映画祭で審査委員も務めたパク・チャヌク監督ともタッグを組んでいる。パク監督の実験作で、韓国初のハードボイルド映画と言われる「復讐者に憐れみを」(2002)に出演するなど、幅広い演技を披露した。


キム・ヒョンソク監督の「爆烈野球団!」(2002)で様々なキャラクターを演じることができるということを証明したソン・ガンホは、ポン・ジュノ監督「殺人の追憶」(2003)で大衆と評論家から高評価を得た。同映画は韓国で525万人の観客を動員し、ソン・ガンホは大衆賞、大韓民国映画大賞、春史映画賞などの男優主演賞を受賞するに至った。
その後も「大統領の理髪師」(2004)、「南極日誌」(2005)、「グエムル-漢江の怪物-」(2006)、「優雅な世界」(2007)、「シークレット・サンシャイン」(2007)、「グッド・バッド・ウィアード」(2008)、「渇き」(2009)、「義兄弟 SECRET REUNION」(2010)、「青い塩」(2011)、「凍える牙」(2012)、「スノーピアサー」(2013)「観相師-かんそうし-」(2013)、「弁護人」(2013)、「王の運命-歴史を変えた八日間-」(2015)、「密偵」(2016)に出演。全ての作品がソン・ガンホの代表作だと言っても過言ではないだろう。


映画「王の運命-歴史を変えた八日間-」のスチール写真

◇ 観客の予想を裏切る「予想外の演技」

先に、ソン・ガンホの全ての出演作品が彼の代表作だと述べたが、それは演技的な側面から言える。例えば、演技力を認められた俳優も、演じるキャラクターがいつも似ていると「演技は上手だが、同じだ」と言われがちだ。しかしソン・ガンホは違う。人々が「もう(新たなキャラクターは)無いだろう」と考えても、次の出演作ではまた違う演技を披露し、見る者を惹きつける。

勿論、「義兄弟 SECRET REUNION」以降、「青い塩」、「凍える牙」は興行成績で惨敗した後、“危機論”が囁かれたが、ソン・ガンホは正攻法を貫いた。2013年に公開された「スノーピアサー」でその名を世界に知らしめたソン・ガンホは、「観相師-かんそうし-」、「弁護人」が連続して大ヒットを記録。

さらに2015年公開の「王の運命-歴史を変えた八日間-」に18世紀の朝鮮王朝の王・英祖(ヨンジョ)役で出演。息子の思悼世子との確執を見事に演じている。


撮影中は、演じる役柄の姿で生活し、そのキャラクターを存分に活かすようにするソン・ガンホ。作品内の役柄の感情を追求し、リアルな演技をする「メソッド演技法」について、ソン・ガンホの存在なしで語ることはできない。


またソン・ガンホは現在、「麻薬王」の撮影の真っ只中だ。またポン・ジュノ監督の新作「寄生虫」にも出演予定で、今後もその演技から目が離せない。


THE FACT | クォン・ヒョクキ


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