ロッテワールド・プレミアムモールの商人たちが、ロッテワールドの一方的な契約解除で困っている。|スポーツソウルドットコムDB

 

[スポーツソウルドットコム|オ・セヒ記者] 最近人気を集めているドラマ「君の声が聞こえる」を観ていると、腹が立つ時がよくある。“法”を利用して罪人が無罪を判決される場合があるからだ。ドラマの中で、主人公の母親を殺した犯人は、証拠不足と事故死である可能性があることで、無罪が下された。
“万人の前に平等な法”は、時々こうして逃れる余地を残せたりもする。
学生時代の社会時間に、「法は、最大限ではなく最小限の権利を保障するためのもの」という言葉を初めて接した時、私は相当な衝撃を受けた。すべての社会の悪を処罰するためにもっとも明確な道具であると信じていた法が、万病の解決策にはなれないことが分かったからだ。


最近、ロッテワールドの商人たちのことを取材しながら、その“法”について、改めて考えてみるようになった。
去年2月、ソウル・蚕室洞(チャムシル・ドン)にあるロッテワールドは、地下3階にプレミアムモールの運営を始めた。
27人の商人たちと1年間の契約を結んだが、ロッテワールドは突然リニューアルを始めると、去年9月、商売を始めて7ヶ月しか経っていない商人たちに対して、いきなり契約解除を通報した。
2015年まではリニューアルの計画がないというロッテワールド側の話を信じて、ここでの商売を始めた商人たちは急なことに居場所のない身の上になったのだ。
プレミアムモールへの出店のために、3000~4000万ウォン(約260~360万円)を払って店舗工事を行い、ロッテワールド側が処分さえしてくれなかった以前の店舗撤去まで自費をかけて処分し出店させた店を、あまりにも突然なことで追い出されることになったのである。今回の契約解除で、商人らの被害額はなんと30億ウォン(約2億7千万円)にものぼる。
問題は、ロッテワールド側が、契約解除は法律的に全く問題がないことを提示していることだった。商人らが、プレミアムモールに出店する直前、「すべての契約は、中途解除の可能性を十分に熟知した上で同意しており、これによる契約の中途解除時は、当社に対して投資費、有益費、権利金、営業損失など、どんな名目の金銭的な請求はしない」という内容の契約書を作成したため、ロッテワールドは“法律的”に全く問題がないということを押し立てている。
これは事実上、奴隷契約であり不平等条約に違いない。商人たちには何の問題がなかったにも関わらず、突然店を奪われ、行き場もない身の上になったものの、不評不満なんかしないで出て行くという契約書だなんて、商人たちはこのような条項が契約を結ぶ当時になってから知ったというのだ。すべての準備が終わって契約だけが残っている状況で、このような条項が理由で契約を諦めるわけにはいかなかったという。今になってようやく自分たちの無知に気づいたと言っているのである。
ロッテワールドはすべてのことが分かっていたはずだ。どんな条項を加えても、本人たちの全財産をプレミアムモールにかけても、商人たちは契約するしかなかったことを。
商人たちも法に訴えることができないため、「大手企業だから信頼したが、奴隷契約をさせられては、どんな補償も受けずに出て行くことは、どうしようもない状況だ」とため息を吐くばかりだ。


法学者のイェリネックは「法は最小限の道徳」と言っている。法が優先的に実現させなければならない目的は「正義」だ。
しかしロッテワールドは、その法を道具として利用し、正義ではない自社の利益に利用している。韓国財界ランキング5位の大企業が、法に無知な商人たちを対象に“法を悪用”した事例としか言えない。
契約書を口実にして善良な商人たちの居場所を平気で奪うロッテワールドは、法の定義から改めて学ぶべきだ。

 

 

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