国際通商戦略研究院のジョセフ・ユン(Joseph Yoon)院長

 

[スポーツソウルジャパン|編集局] 未来の競争力と直結する付加価値の高い分野の国際学術大会を、“国家次元で誘致する戦略が切実だ”という意見が提起された。


国際通商戦略研究院のジョセフ・ユン(Joseph Yoon)院長は、最近中国科学院の主催で中国・西安で開かれた、自動制御分野の21世紀パラダイムとして注目されているADRC(Active Disturbance Rejection Control)の自動制御コンファレンス「ADRC2013」に、中国科学院の院士級の研究者らと世界自動制御関連の著名学者約200人が出席したと伝えた。

ここでユン院長は、「未来産業が先占できる効果を持たせる重要分野の国際学術大会を誘致するために、国家次元の戦略が必要と指摘しながら、先端分野の重要な研究者らが実際に参加する世界的な学術大会を誘致するなどの国家的次元の努力がない限り、国内の研究者らが世界トップレベルの研究者らとのネットワークを構築し、共同研究を通じて研究成果を挙げるには、限界がある」と強調した。

 

中国科学院の韓京淸(1937~2008)教授

 

ADRC制御は、中国科学院の韓京淸(1937~2008)教授が創設し発展させた新しい自動制御理論及び実行方式であり、中国、アメリカ、日本の宇宙航空産業と新エネルギー分野で既に部分的な実用化が行われている。
韓京淸教授は、中国科学院の著名な数学及び自動制御理論の研究者であり、1980年代にADRC自動制御理論を創設した。彼は旧ソ連、アメリカ、日本でもADRC制御研究を行いながら、当時は不可能だといわれたADRC制御理論を構築した自動制御の第一人者として、学界に広く知られている。
ジョセフ・ユン院長によると、今回の学会は、中国科学院で異例的に「韓京淸教授逝去5周年記念」という学会の副題を設定しただけに、この理論の価値と注目度が分かると説明した。

7月24日から25日まで、西安国際コンベンションセンターで開催した「ADRCコンファレンス2013」は、自動制御関連の専門家らによる50件あまりのポスト発表とともに、特別講義、本行事、付帯行事で行われた。

今回のコンファレンスで基調発題し、クリーブランド大の自動制御研究センター長を務める高志强(Zhiqiang.G)氏は、「ADRC制御は過去の経験値に依存せず、自律的に外部の各種干渉を除去する21世紀の自動制御のパラダイムを改めている」と強調した。
また、中国科学院の郭雷院士と陳翰馥院士は、各自の発題で、「ADRC自動制御は、自動制御の先端分野と精密分野だけではなく、一般産業のエネルギー制御でも既存の方式と次元が違うもので、自動制御分野で最も優秀な方式だ」と意見を合わせた。

 

中国科学院の黄一教授は、韓京淸教授の生涯とADRC理論の発展過程を紹介しながら、「この理論は、自動制御の概念を変える理論として、精密産業と知能産業、エネルギー産業で新しい役割を果たすはずだ」と期待した。またイタリア・ポリテキニコ大のエンリコ・カヌト(Enrico Canuto)教授は、「モデル制御の外部干渉の除去でも、この理論はとても重要だ」と発表した。

 

韓京淸教授の主要論文の編訳を委任された日本のアジア経済文化研究所の劉京宰博士は、「ADRC制御は、既存のPID(Proportional Integral Derivative Control)制御など、既存の技術的フレームを超越し、自然科学と人文科学が融合された新しい思想体系のもとで誕生した『自律外乱除去制御』の新パラダイムである」と評価した。
劉京宰博士は、「この分野の研究は、現在ADRC制御研究は中国とアメリカが独歩的にリードする様相が見られており、今後多様な国家による高い水準の産学研研究者らが共同研究を通じて、この分野を活性化して世界的に貢献することを願う」と述べた。

 

 

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