TOKYO2020 FINAL Presentation FILM より

 

[スポーツソウルジャパン|安宰範] 国際オリンピック委員会(IOC)は7日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで総会を開き、2020年夏季五輪とパラリンピック(国際パラリンピック委員会(IPC)が主催する障害者を対象とした世界競技大会)の開催都市を東京に決定した。これにより東京は、1964年以来56年ぶりで2回目の五輪を開催することとなった。また日本での五輪開催は、1972年の札幌、1998年長野の冬季五輪まで合わせると計4回目の五輪開催国となる。


2020年五輪開催には東京、マドリード、イスタンブールの3都市が立候補され。総会では、各都市が最終プレゼンテーションを行った後、およそ100人のIOC委員による投票が行われた。
1回目の投票で東京は42票を獲得し1位に通過。マドリードとイスタンブールは26票で最下位となった。その後再投票でイスタンブールが49票、マドリードは45票で脱落した。続いて東京とイスタンブールによる決選投票が行われ、東京は60票、イスタンブールは36票という結果となり、7日の午後5時頃(日本時間・8日午前5時)、国際オリンピック委員会会長を努めるジャック・ロゲ会長より「TOKYO」の名が告げられた。


阿部総理は、総会現場からこのことを早速自身のフェイスブックを通じて報告した。
「安倍晋三です。朝早くにすみません。ブエノスアイレスより速報です。つい先ほど、東京が2020年の五輪開催地に選ばれました!!本当にうれしい。この心からの喜びを、皆さんとともに、分かち合いたいと思います。...
この勝利は、国民が一つになった結果。 熱い思いが、世界に伝わったのだと思います。この勢いで、国民が一つになって、2020年東京オリンピックを必ずや成功させましょう!」


日本の各メディアは、日曜の早朝から奔走した。
日本3大新聞と呼ばれる読売、朝日、毎日は夜が明ける前から、このニュースを報じるため多忙に働いた。
まず読売新聞は、「“安全、安心”“確実な運営”を訴えた東京が、イスタンブールとの決選投票を60対36の大差で制し、16年招致に続く挑戦で、1964年以来、56年ぶりとなる夏季五輪の開催を勝ち取った」と報じた。
朝日新聞は、早くも号外として東京五輪決定を伝えた。号外では、「東京は安定した財政、都市基盤や開催能力を前面に押し出し、失敗した16年誘致の雪辱を果たした」と述べながら、新宿や渋谷など東京都内の各中心街をはじめる各地に号外を配布した。
毎日新聞は、「東京は前回の16年五輪招致にも立候補していたが落選。当時の石原慎太郎・東京都知事が20年五輪への再挑戦を決め、後任の猪瀬直樹知事が引き続き招致活動をリードした。各界の連携が希薄だった前回の反省から、都とスポーツ界だけでなく国や経済界も早くから招致活動に加わり、各界が連携して東京をアピールしていた」と伝えた。
一方産経新聞は、「安倍晋三首相の演説が2020年東京五輪大会決定への決め手となった」と「ブエノスアイレス発のロイター通信は7日、こんな見出しで五輪開催地決定のニュースを伝えた」と報じながら、「国家指導者のなめらかな演説は、IOCが懸念する福島原発問題の不安を解消するために行われた。日本は60対36でイスタンブールを大差で勝利したことから、演説はその目的にぴったりと合っていたようだ」とロイター通信が絶賛したと報道した。


各テレビ局の反応も同様だった。中ではテレビ朝日の日曜午前の看板番組「報道ステーションSUNDAY」が、拡大スペシャルとして東京五輪決定を「五輪開催で変わる日本!!“2冠王者”北島康介…五輪にかける思いとは?“5大会出場”谷亮子! 勝敗をわけたものは?“運命の投票”舞台裏」という目玉で喜びを伝えながらも、総会で大きく取り上げられた福島第1原発に関する内容を、阿部総理から直接聞く場面が流れた。
同番組のメインキャスターを務める長野智子氏は、「総理、おめでとうございます。G20ロシアから、強行軍でそちらの現地にお入りになったんですけど、さすがに、この結果で疲れは吹き飛びましたか?」と切り出した。これに総理は「はい。23時間かかったんですが、やってきたかいがありました。本当に疲れが吹っ飛びましたね」と喜びを伝えた。
続いて、「今回、福島第1原発の汚染水の問題に質問が集中しました。その中で最後のプレゼンテーションで総理の力強いメッセージを出した。その一方で、いや、まだ原発は完全にコントロール下はないと、指摘もあります。そしてまだ日本の国内にも不安を抱えている方がたくさんいらっしゃいます。総理は、この7年で原発について具体的にどういう対策をしていきますか」と尋ねると、阿部総理は、「まだ福島の原発の問題については、これは最終的にもちろん、収束した、そういえる状況ではありません。ただ、汚染水の問題については、しっかりとブロックしているということをIOCの委員の皆さんには、ご理解をいただいたと思いますが、廃炉に向けてしっかりと前へ進めていきたいと思っていますし、まだ困難な避難生活を送っておられる皆さんが、しっかりと通常の生活に戻れるようにその責任を果たしていきたいと思います」と前向きな姿勢を示した。
また「経済高価については3兆円とも言われているんですが、この7年で東京、日本はどう変わりますか?」と聞くと「2020年に向かって7年間で、私たちは競技場をはじめ、さまざまな整備をしていくそういう必要がありますし、多くの方々が日本にやってくるおもてなしができる、そういう街にしていかなければなりません。と同時に今回私たちが経験したことは、みんなが心を1つにすればですね、夢は実現するんだということなんですね。この15年間、デフレの中で経済は停滞し、私たちは自信を失ってしまいました。この自信を取り戻すことにつながっていけば、必ず経済にも大きなプラスになっていくと、私は確信をしています」と自信をみせた。
一方、「この開催決定は、消費税の判断に影響を与えますが。」という、今日本経済の話頭となっている消費税の引き上げに関する質問には、「それはありません。消費税については経済指標をよく分析しながら、決めていきたいと思っています」と述べた。


他、NHKをはじめ、日本の地上波各局は、早朝から速報とともに特別番組などを編成して、東京五輪決定を報じながら、国民の喜びを伝えた。
東京都庁では、朝早くから約3千人の市民らが都庁の広場に集まり、東京五輪招致決定を受けながら、感謝の気持ちを込めた「TAHNK YOU」という人文字を作って喜びを伝える一方、若者たちの街渋谷では、前日から居酒屋などをはじめるさまざまな店で、IOCによる投票中継を視聴し、「東京五輪決定!」という発表が決まると、大勢の若者たちが喜びのあまり街中を走り出す場面が見られた。


曇りから雨に変わるやや落ち着いた様子の東京、日曜日は、今どんな時よりも、喜びと感激の空気が充満している。

 

 

 

 

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