去年韓国国会の国政監査の証人欠席で起訴され、1000万ウォンの罰金刑を受けた重光昭夫ロッテグループ会長が、今年5月24日行われた宣告公判を終えた後、今後の国会出席の要求に「誠実に臨む」と答えた。しかし、今年も国政監査の証人に選ばれた重光会長は、グループ経営陣による涙ぐましい努力のおかげで、証人名簿から除外された。|スポーツソウルTVよりキャプチャー

 

[スポーツソウルドッコム|ファン・ジニ記者] “誠実に臨みます”
今年5月24日に行われた韓国国会の国政監査で、証人欠席容疑で起訴された重光昭夫(辛東彬 シン・ドンビン)ロッテグループ会長が、宣告公判で1千万ウォン(約91万円)の罰金刑を受けた後、裁判所を出たところのコメントだ。
グループ総帥に罰金刑の宣告という驚きのこともつかの間、韓国財界5位の大グループを率いる重光会長の苦手な韓国語には耳を疑った記憶があるが、その苦手な韓国語で今後の国会出席の要求に「誠実に臨む」という重光会長の言葉を信じたことも事実だ。
その5ヶ月後である今月7日、国会産業通商資源委員会(以下、産業委)は、重光会長を今年の国政監査の証人として再び採用され、今回の国政監査でロッテグループの加盟店と代理店に対する横暴、路地商店街の商圏侵奪などを集中追及する予定だった。すでに国税庁の税務調査で内部の雰囲気が落ち着かないロッテは、重光会長が今年も国政監査の証人に選ばれたことについて、当惑感を隠せなかった。

一部では、今回産業委の証人として採用された流通業界の面々を比較しながら、重光会長の証人召喚に対してやや度を過ぎた決定だという指摘もある。しかしそれは、言葉通り一部に過ぎない。新世界グループの鄭溶鎭(チョン・ヨンジン)副会長も産業委の証人に選ばれたからだ。
24日、産業委でセヌリ党のキム・サンフン議員が、「新世界が共生の努力を約束してくれたら、鄭副会長は呼ばないつもりなのか?責任のある意見を聞くなら、新世界も鄭副会長ではなく、系列社の代表を呼ぶべきなので、公平性に問題がある」と指摘した理由がここにある。
重光会長が証人から除外された理由として、ロッテグループの経営陣による何らかの動きがあったためだという意見が支配的だ。実際、重光会長の国政監査の証人採用以降、ロッテグループ経営陣らの動きも慌ただしくなってきた。


実際ロッテは、セブンイレブン、バイ・ザ・ウェイ、ロッテワールド、ロッテマートなど、グループ系列社の被害者らが結成した“ロッテ財閥横暴・被害者の会”の糾弾にもびくっともしなかった。ところがロッテ経営陣らは国政監査日が迫ってくると、休日を返上しながら先日21日に、民主党(韓国)の議員らで構成された“乙を守る委員会”の所属国会議員に直接会い、被害者らに対する“共生強力機構”を立ち上げると乗り出したのだ。
特に目立つのは、ここにロッテ百貨店の申憲(シン・ホン)代表、ロッテマートの盧柄容(ノ・ビョンヨン)代表、ロッテスーパーの蘇鎮世(ソ・ジンセ)代表、ロッテ製菓の金龍洙(キム・ヨンス)代表、ロッテワールドの李東雨(イ・ドンウ)代表、ロッテグループの政策本部・CSRのイ・ソクファンチーム長など、グループ系列会社の代表らが全て参加したことだ。

 

この経営陣らは海外出張が多いため、同時に集まることが難しいだけに“異例的なこと”という言葉まで出できた。特に代表らは一人も手を抜かずに議員らの話をメモしながら傾聴して、のち議員らからの好評まで受けたそうだ。業界ではこれに対し、ロッテ経営陣らが本業まで手放しながら“重光会長を守ること”に奮闘しているという話も。
結局、ロッテグループ経営陣らによる涙ぐましい努力のおかげ(?)で重光会長は、今回の国政監査の証人から“劇的に”除外された。産業委が24日に全体会議を開いて、重光会長を証人名簿から外すことに議決したのだ。

重光会長を証人として要請した民主党のプ・ザヒョン議員は、「路地商店街の侵奪などの横暴を締め上げるつもりだったが、最近ロッテグループが不公正行為の改善に努力すると約束するなど、誠意をみせたので、証人召喚から外すことにした」と明らかにした。


その一方、当初証人に採用されなかった新世界グループの鄭溶鎭副会長は、今回の国政監査の証人に追加された。先日15日、許仁哲(ホ・インチョル)イーマート代表が国会で発言したことを問題にし、産業委が鄭副会長を新しい証人として採用したのである。これを受けた新世界側は、鄭副会長が来月1日にある産業委の国政監査に出席すると伝え、国会での答弁を“誠実に”準備していると知られた。
結論的に重光会長は、系列社の経営陣らによる“誠実な努力”のおかげか、今回の国政監査に出席しなくて済むことになった。しかしこれは、企業のオーナーがグループと関連した諸問題に対して、その責任と義務を経営陣らになすりつけたわけで、なぜか後味の悪い印象を残した。

 

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