ユン・ドクビョン韓国ヤクルト会長の息子、ユン・ホジュン専務が、乳児童向け通信教育企業であるベネッセコリアを引き受けることとなり、教育事業強化へ乗り出した。しかし、これに先立ち引き受けた「能率教育」の収益性が悪化。ヤクルトが展開する教育事業の展望は明るくないという予想が提起されている。

 

[スポーツソウルドットコム|ファン・ジニ記者] 韓国ヤクルト(以下、ヤクルト)が乳児童向け通信教育企業 “ベネッセコリア”(以下、ベネッセ)を引き受けることに対して、ヤクルトの2世経営が試されることになった。ヤクルトの教育事業は、ユン・ドクビョン会長(86、創業者)の息子、ユン・ホジュン専務(42)が指揮することになったからだ。


業界の展望は楽観的ではない。売却に先立って引き受けた「能率教育」(능률교육)の収益が日々悪化。ベネッセを引き入れても、ヤクルトが教育産業でシナジーを発揮するには厳しいという見解が提起された。
ヤクルトは先月31日、教育市場において力量強化のためにベネッセ持分100%を引き受け、株式譲渡契約を締結した。ヤクルトはベネッセが乳児童を、能率教育が初(小学校)・中・高校生と成人を担当し、生涯教育サービスを提供するという計画だ。当時ヤクルト側は「ベネッセの引き受けで、乳児から成人にまで、生涯周期別に合わせた教育事業の拡大で、教育市場に対する競争力を高められる」伝えた。
ベネッセコリアは、日本の「ベネッセホールディングス(HD)」の韓国現地法人で、去年のみ年間売上402億ウォン(約32億円)を記録。<アイチャレンジ>という乳児向けの学習誌を通じては、嬰乳児の英語教育市場で立地を固めてきた。“遊び学習”というプログラムを通じては韓国内会員数が13万人、累計会員数は100万人を突破している。
しかし、市場はヤクルトがベネッセを引き受けても、それを指揮するユン専務の経営能力に対して疑問を感じている。なぜなら2009年6月、未来成長動力の発掘を目標で引き受けた能率教育が、期待された成果を上げられなかったからだ。能率教育の最大株主は全体持分の48.03%を保有するヤクルトだが、個人の最大株主は全体の4.26%を保有するユン専務である。
ヤクルトは能率教育を引き受けた後、独自経営を保障しながら高い期待を示した。当時ヤクルト側は、追加投資資金を投入し、学習誌と小中高校の英語教室事業を拡大していく計画も明かした。
しかし収益は期待に及ばなかった。2009年引受当時、439億ウォンだった能率教育の売上は、それから3年が経った2012年500億ウォン(46億ウォン)を初めて超えた。2012年には事業譲受と新事業開始などで費用が増して、営業利益は2011年対比1/3まで減少、純利益は赤字に転換された。


今年の上半期には、売上額が267億4471万ウォンで、去年上半期の254億9342万ウォンより小幅上がったが、今年上半期は4億2605万ウォンで、去年上半期の16億9673億ウォンの1/4に過ぎなかった。収益性の減少流れは年間実績にまで影響、能率教育の2011年営業利益は54億116万ウォンから2012年15億5124万ウォンで71.3%減少した。
これについて能率教育の関係者は、「去年純利益が赤字に転換された部分は、中高校の英語教科書を新しく開発し、ハンソル教育から“ジュニアラップスクール”を引き受けるなどの事業コストが発生したため」と収益不振を説明した。
しかし、こうした能率教育の説明にも関わらず、収益性不振は深刻な状態だ。韓国の教育市場トップであるテギョ(DAEKYO대교:大韓教科書)は、今年上半期の売上は下がったが、営業利益は昨年より5%増えた。また去年さまざまな紆余曲折を経たウンジン・シンクビッグ(woongjin Think Big)も、今年上半期は営業利益87億ウォンを記録し、去年同時期の10億ウォンに比べ大幅増加した。
これにより業界では、「教育事業の実績不振を解決するために、ヤクルトがベネッセを引き受けたが、ユン専務の選択には半信半疑だ」と反応。最近韓国の低出産と不況によって教育市場が沈滞され、競争も激しくなる状況の中、ユン専務が教育事業の強化に乗り出したことに疑問を提起するわけだ。
能率教育側は「教育市場が沈滞されるとしても、乳児童の英語教育市場が活発だ」とし「大株主であるヤクルトがベネッセを引き受け、能率教育とシナジー効果を得られるように力を入れている」と述べた。
ヤクルト側は「能率教育の強みは、初・中・高校生から成人まで併せる部分で、ベネッセは嬰乳児専門である。両社はきっと大きな戦力となって長期的には実績も改善されるとみている」と伝えた。

 

 

 

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