韓国の「ソル」(旧正月)を迎え、ディスカウントストア(大型スーパーマーケット)、デパートは殺到する客で連日混雑しているものの、伝統市場の商人らは、客が来なくて心配の声をあげている。|イ・チョリョン記者

 

[スポーツソウルドットコム|イ・チョリョン記者] 1月31日の「ソル」(설:旧正月)を控えながら、韓国のディスカウントストアやデパートは、連日大繁盛だ。殺到する客と車で駐車場は空きがない、帰りには渋滞するばかりだ。それでも人々は、こうした苦労を耐えながら訪れている。いろいろな商品を一つの場所で、楽に且つ手頃な価格で買えられるからだ。しかし、このような繁盛期にも関わらず、心配の声が絶えないところがある。そこは伝統市場だ。


韓国中小企業庁による最近5年間の統計をみると、ディスカウントストア(大型マーケット)の売上は、2008年31兆9,000億ウォン(約3兆1,234億円)から2012年37兆5,000億ウォン(約3億6,717億円)を記録、5兆6,000億ウォン(約5,483億円)も増加した。
しかし、伝統市場の売上は、同期間22兆2,000億ウォン(約2兆1,736億円)から20兆1,000億ウォン(約1兆9,680億円)で、2兆1,000億ウォン(約2千56億円)ほどが減った。
大型マートの義務休業と新規開店の制限という制度はあるが、伝統市場の売上減少は、今後も続くと思われる。


伝統市場の売上が減少する理由は何だろうか?まず、現在殆どの伝統市場では駐車スペースがなく、車両の出入りも厳しい。商品を入れるカート無しで市場を一周すると、両手は重い荷物でいっぱいだ。さらに、さまざまな食材の臭いが不快を感じさせたり、商品価格に疑問を提起すること(特に若者客)も少なくないため、客の足はどんどん遠のいていくもようだ。

この市場で20年もお供え材料の専門店を営むキム氏は、「年配の方はいらっしゃるけど、若い客はなかなか来ない。駐車場もないし、手荷物が多くなるから、面倒だと思われているみたいだ」とため息を吐いた。
時期的に最も需要が高いイシモチやニベなど、お供え用の高級魚を売る魚屋も事情は同じだった。15年間魚屋を営むパク氏は、「デパートやマートに負けないくらいのいい物があるのに、見栄えがよくないとか、非衛生的に見えるとかで、つい背中を向ける客もいる。良心とプライドを持って商売しているのに、最近の若者はもう古くなった伝統市場には、興味がなくなっている」と不安な表情を浮かべた。
青果店も変わらない。ここで10年間を運営したイ氏は、「負けてあげると言っても、買ってもらえない時がある。果物は重くなるから、配達でお願いする客もいるが、うちの店は店頭売りしかできない。配達員もいないし、雇う余裕もない。デパートや大手のマートみたいに商売できないから、客は減るばかりだ」と述べた。


その昔、「ソル」になると伝統市場に行くことが当然だったが、買い物のパターンが変わった今は、伝統市場の“情”より、便利さと清潔感、定価と割引可否が消費の優先となっている。

 

 

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