ソウル・鍾路区にある曹渓寺の入口に合同祭事を行うというフレーズの垂れ幕がかかっている。|ファン・ジュンソン記者

 

[スポーツソウルドットコム|ファン・ジュンソン記者] 主婦のカンさん(45)は、初めてお正月(旧)の祭事を家ではなく、お寺に任せた。お正月などの祭日のたびに祭事に上がる料理の準備や訪れる親戚・知人の接待などで疲れてきたカンさんは、結婚18年ぶりに初めてお正月の連休を海外旅行で過ごす計画だ。


となると、祭事はどこで、誰が行うだろうか?18年間に渡って祭事を準備してきたご褒美(?)として、夫の兄弟たちが代わりにするのだろうか?
カンさんは、「2万~10万ウォン(約2千円~1万円)を払うと、お寺で先祖の位牌を祭って合同祭事を行ってくれる」と聞き、宗教は仏教ではないが、今年のお正月祭事をお寺に依頼した。海外旅行を計画しているため、参加もしない。


最近、祭事をお寺に任せる家庭がますます増えている。2007年、ソウル・江南(カンナム)にある奉恩寺に合同祭事を依頼した家庭は約1200件だったが、今年はすでに2400件を超えるなど、5年の内に2倍以上に増えた。ソウル・鍾路区(ジョンロ・グ)の曹渓寺も合同祭事を申請する人々が急増していると説明した。


曹渓寺の関係者は、「祭日に祭事を家で行わず、お寺に任せる人が急増している。仏教信者だけでなく、仏教を信じない非信者も多く見える。また、祭事の当日に出席しない場合も多い」と明らかにした。


◆急がないと申請もできない

 

ソウル・三成洞(サンソン・ドン)にある奉恩寺は、合同祭事と単独祭事を行ってくれる。

 

合同祭事の手続きを調べるため28日、ソウル・三成洞(サンソン・ドン)にある奉恩寺を訪れた。奉恩寺の入口で関係者から受付を案内してもらった。合同祭事に関する問い合わせが多いのかと尋ねてみると、その関係者は、「2〜3年前までは多くなかったが、最近たくさん増えた」と答えた。
受付の方法は簡単だった。合同祭事は2万ウォン(約2千円)、単独祭事は40万ウォン(約4万円)を払うと、お寺で行うことができる。合同祭事はお正月の午前10時から午後4時まで、紙の位牌を祭って一度に行われる。参加するかどうかは自由で、祭祀で使った料理は後で均一に分ける。関係者は、二ヶ月前から申請を受け、28日現在、合同祭事の申請は終わったと語った。

 

合同祭事に使う紙の位牌

 

単独祭事は、価格が高いわけか、まだ申請が可能だった。合同祭事と異なる点は個々のスペースで進行されること。割り当てられた僧侶が祭事を行うため、合同祭事と同様に申請者が参加しなくでもよい。しかし、奉恩寺の関係者によると、単独祭事は合同祭事より申請者の出席率が高い。


◆祭事代行サービス、まだ論争中!
祭事の代行サービスを利用する人の数は増えているが、一部ではまだ厳しい視線を送っている。祭事を行うことで先祖に感謝の気持ちを表した韓国の情緒が強いからだ。


しかし、核家族化、共働き家庭の増加、祭日の連休を利用した旅行など、時代的、世代的な概念の変化で祭日の雰囲気が徐々に変わりつつあるのも事実。仁川(インチョン)国際空港によると、今年のお正月(旧)連休に、海外旅行に出る人は昨年より7.1%増の26万7000人を記録した。
もちろん、宗教の問題で祭事を行わない家庭はお気軽に旅行などを計画することができるが、祭事を行ってきた家はそんなに容易ではない。そのため、祭日の連休を利用して海外旅行などでも準備する際には、「礼」という本質を守りながら罪悪感を少なくさせる祭事の代行サービスを利用することが増加している。


曹渓寺のある関係者は、「善悪を問う問題ではない」とし、「時代が変わっただけに祭事に関する考えも変わっている。ただし、祭事をやっていかなくても、その意味自体は忘れてはならない」と述べた。

 

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