アダルトビデオを彷彿させる動画が見られるYouTubeに、懸念の声が上がっている。 |YouTubeよりキャプチャー

 

[スポーツソウルドットコム|ソン・ガンヒョン、ソン・ヒョングンインターン記者] 世界最大の動画共有サイトYouTubeに対する視線は殆ど好評一色だ。最大の利点は開放性。YouTubeに上がってきた動画は老若男女問わず誰もが無料で存分に見ることができるからだ。逆に言えば動画を上げるユーザーらもコストの負担がなく、気軽に上げることができる。


しかし問題は、このYouTubeの開放性の裏に潜められた逆機能だ。その一例として今のYouTubeにはアダルト向けサイトに劣らないほど、AVのような動画が自由に見られるプラットフォームになっている。つまりYouTubeで誰もが少しの努力(?)をすれば、アダルト系の動画が見放題になるということだ。
もちろん、YouTubeに上がってきたアダルト系動画の中には、いわゆる釣り文句を使ったプロモーション用の動画もあるが、殆どは全裸の男女が絡み合うベッドシーンが濾過なく公開されている。国籍を問わず、男女が裸状態で絡んでいる動画が手軽に見られることが、YouTubeの現実である。
2005年11月から正式サービスを始めて、1年ぶりであの<タイム誌>が選定した最高の発明として注目されはじめたYouTubeは、いつの間にかアダルトコンテンツ業界で、予想もよらぬ影響力を及ぼしているのだ。


◆知る人ぞ知る、公然の秘密

「知る人ぞ知るというか、ちょっと誇張すれば(YouTubeは)アダルトビデオやアダルト動画の倉庫とも呼ばれていますし、公然の秘密です」という30代初の会社員ソ氏は、YouTubeにすっかりハマってしまい、夜ふかししたことも少なくないという。

ソ氏は、「昨年の秋頃だと思います。(YouYubeで)たまたまアダルトビデオを見つけてから、時間がある度にクリックをするようになりました」としながら「無料で見れるから、ついクリックしちゃうし、時間をかけて探したりもします」と恥ずかしげに語った。彼は「一度アクセスしたら、10本くらいは早送りで見ている」と付け加えた。
彼は「僕は遅い方ですよ。周りにYouTubeでアダルト動画を見ている人って、意外と多いです。ポルノではないけど、アダルトビデオ水準は超えていますね。特に日本のアダルト系(AV)がたくさんあります」と笑み浮かべた。しかし彼は、これにハマっている同時に、「でも、こういう現状なのに、なぜYouTubeに制裁がないでしょうかね。見る人はいいけど、なかなか理解できないですね」と疑問を抱いた。


大学生のソン氏は1年前、知人からいい情報(?)を聞いて入門した。政府の規制で滅多に出会えないアダルト向けサイトを、わざわざ探したり、有料で会員登録しなくても“YouTubeでは手軽にアダルト動画が見られる”という情報で、彼はアダルト動画三昧にハマった。
ソン氏は主に、スマートフォンのYouTubeアプリケーション(以下、アプリ)で見ていると明かした。いつでもどこでも、無線インターネットが繋がるWiFiがあれば、別途の費用なしで自由に見られるからだ。ウェブやアプリでいわゆる“19禁ビデオ”を見るのに、ハードルがないということだ。

 

YouTubeに載っている殆どの動画は、簡単に再生できる。画像は、アカウントが解除されて動画見られなくなったというメッセージ。

 

ソン氏が言ったように、スマートフォンのYouTubeアプリで特定のキーワードを入れてみたら、数十本の関連動画が出てきた。通常直接的なキーワードの場合、成人認証を行ってから見られるが、YouTubeではタイトルに関連キーワードがあるものの、何の制裁なく見られる動画が相当数あった。ただ一部の動画は「コンテンツに関する警告、この動画は、一部のユーザーに適さない可能性があります」または「この動画と連結されたYouTubeアカウントが解除され、動画を見ることができません」というメッセージとともに、動画が見ることが制限されている。


◆健全と知られているYouTubeのアプリが青少年に悪影響を生じる

しかし殆どの動画は、再生するに全く問題がない。YouTubeのアダルト動画にハマった彼も「青少年に悪い影響を与えてしまうかもしれないので、心配です」と述べた。青少年の殆どがスマートフォンを所有している現実に、YouTubeのアプリが“間違えた性文化を造成してしまう”という可能性を排除できないからだ。

 

実際、スマートフォンのYouTubeアプリでアダルト動画を見ることは、まだ成熟していない青少年が、大人の目をさけて自由に見られる道具にもなる。

 

昨年上半期、韓国の青少年のスマートフォン普及率は90%に達しており、青少年らにスマートフォンは、今や必須品となっている。さらにYouTubeアプリは、健全なアプリと知られているため、青少年が悪用する可能性が高いという懸念の声も少なくない。
ある高校教師は「スマートフォンの普及率に合わせて、淫乱物から青少年を守られる対策を設けることが至急だ」と述べつつ「動画共有サイトであるYouTubeアプリで、そういうものが見られるなんて、信じがたい話だ」とため息を吐いた。

女性家族部(国家行政機関)の青少年保護委員会の関係者は「放送通信審議委員会で、青少年有害媒体として指定されたのは、該当サイトに問い合わせして制裁することが可能だ。しかしインターネットのポータルサイトやYouTubeなどに掲載された動画が、青少年有害媒体で指定された場合は、ごく一部なので制裁が不可能だ。また、インターネットに上がったアダルト動画は、YouTubeが直接上げた動画ではなく、成人動画の著作権をYouTubeが持っていないため、処罰が不可能。事実上、法的な制裁がかけられる手段がない状況」と説明した。


◆ YouTubeに自主的な申告権限を付与vsユーザーらに任せる責任の放棄

YouTubeは、成人向けコンテンツに対して自主的な申告機能があると明らかにした。

これについてYouTubeは、アダルトコンテンツに対しては遮断できる手段を持っており、自主的な申告機能があると述べている。
YouTubeの関係者は「YouTubeのコミュニティガイドラインには、不適切なコンテンツのアップロードは、YouTubeのサイト内で不可すると明確に表示している。もしガイドラインを違反するコンテンツが上がってくる場合は、一般的にユーザーらによって通報され、該当コンテンツは担当チームが削除する。また常習的にガイドラインを違反するネットユーザーのアカウントは遮断する」とし「成人のみ、適合な主題を取り扱うコンテンツと判断される場合は、“制限的なコンテンツ”として表示し、該当コンテンツは未成年ユーザーらには視聴を許さない」と説明した。
続いて「YouTubeは、ユーザーらに不適切なコンテンツを発見した場合、それを表示または通報できるように権限を付与しており、万が一不快なコンテンツやコメントがあると、これを遮断できる“安全モード”を使用することを勧めている」と述べた。


しかし、成人コンテンツの専門家であるキム・チャンファン氏は、YouTubeの答弁にあざけた。彼は「YouTubeが自主的に不適切なコンテンツを分別する機能が必要だ。実際そういう動画は、みたいと思うユーザーが探すのに、それを自発的に通報するはずがない」と言いつつ「YouTubeは事実上、アダルト動画に関連した問題については、その責任をユーザーらに転嫁しようとしている。これ以上手をこまぬくことはぜす、世界トップの動画共有サイトというタイトルに相応しい選択と行動をしてほしい」と強調した。

 

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